秋になると黄金色に色づき大変美しいイチョウは、もとは中国原産の裸子植物で、中生代より太古のままの姿で生存する大変めずらしい1属1種の植物です。
葉の形状は扇形で葉先が波形となる。雌雄異株で花は4月の新葉と共に開き、雄花は尾状花序、雌花は有梗で1~2個つける。果実は球形で秋に黄熟します。
この秋に落ちた果実の多肉質の部分(外種皮)は悪臭を放つことでも知られるが、皮膚炎を起こす物質も含まれているため、手指を介して間接的に接触した体の部位に炎症や浮腫性紅班等を起こします。
熟して落ちた果実から、その外種皮を取り除き、乾燥すると内種皮に包まれた白果ができます。これが食用とされる銀杏です。さらに内種皮を除いたものを白果仁と称し、中国の古書「本草綱目」にも咳、喀痰、気管支喘息などに効果がある鎮咳去痰薬として収載されています。
但し、銀杏はアンチビタミンB6物質(MPN)を含むので、大量に食べるとビタミンB6欠乏症と似た中毒症状を起こすことがあり、栄養不足が蔓延していた戦後の食糧難の時代には、しばしば新聞沙汰となりましたが、現在ではあまりこの様なことは聞かれません。
ちなみにこのアンチビタミンB6物質(MPN)が最も多く含まれるのは生の葉であり、次に内皮腫、その次に生の銀杏となる。又、このアンチビタミンB6物質(MPN)は、熱に弱く炒ったりゆでたりすることで著しく減少します。
一方で近年、多量のフラボノイドと極めて珍しい化学構造を有するジテルペン ginkgolide 類が含まれている緑のイチョウ葉が注目を集めています。そのエキスが脳血管の血流を改善し、脳血管障害の予防に有効であることから、ヨーロッパ諸国では盛んにイチョウ葉エキスの製剤が幾種類も販売され実績を上げているそうです。
ただ残念ながら日本では薬事法上の理由から、一部の健康食品に使われているだけでほとんど利用はされていません。
銀杏の成分を以下の表に示す。ぎんなん100g当たり生果
科学技術庁「資源調査会報告」87号から抜粋
成分 | 単位 | 含有量 | ||
---|---|---|---|---|
エネルギー | Kcal | 172 | ||
水分 | g | 57.4 | ||
タンパク質 | g | 4.7 | ||
脂質 | g | 1.7 | ||
炭水化物 | 糖質 | g | 34.5 | |
繊維 | g | 0.2 | ||
灰分 | g | 1.5 | ||
ミネラル | カルシュウム | mg | 5.0 | |
リン | mg | 12.0 | ||
鉄 | mg | 1.0 | ||
ナチリュウム | mg | 1.0 | ||
カリウム | mg | 700 | ||
ビタミン | A | カロチン | μg | 290 |
効力 | IU | 160 | ||
B1 | mg | 0.28 | ||
B2 | mg | 0.08 | ||
ナイアシン | mg | 1.2 | ||
C | mg | 23 |
※尚、葉にはギンノール、ノナコサン、ギンクゲチン、シキミ酸を、心材にセサミン、ビロバンなどを含有する。
種子(銀杏、白果仁)には潤肺、鎮咳、去痰作用と、尿量を抑制する作用があり、きんかんやカリン等と同様に、古くより民間療法の咳止めとして現在に至っています。又、葉には13種類のフラボノイドとギンコライドという物質が含まれており、血管拡張作用、動脈硬化の改善、鎮痙作用、血糖値正常化、活性酸素除去作用、アレルギーの抑制作用、抗炎症作用等多彩な働きがあると言われています。
さらに、しもやけ等にも効果があります。又、葉には抗菌、防虫効果もあり、本にはさんでおくと防虫になることは良く知られています。
小国町特産品は、この自然と季節の香を大切にし、手作りで安全な無添加・無着色のお菓子や食品の製造・販売を通じて、皆様の食卓に「美味しさ」と「健康」をお届けしていきたいと考えています。
「いちょう茶」と「ぎんなん茶」を生産しています。これらのお茶は、血管の老化を防ぎ、循環機能を高める効果があると言われる銀杏の葉や、ビタミンとミネラル豊富な銀杏でお茶を作りました。ぜひ、一度お試しください。価格は共に1,000円(税込み)です。
「いっちょういくか」シリーズ
ぎんなんの味を生かしてたまり漬にしました。お好みに合わせてご飯に、お酒のおつまみに、ぜひご賞味ください。
原材料名 ぎんなん・大豆・砂糖 内容量 110g 価格 540円
塩を少々振ったり、電子レンジで1分程度暖めるなど、お好みによりお召し上がりください。ごま油は料理にご利用できます。
原材料名 ぎんなん・ごま油・塩 内容量 100g 価格 540円
銀杏が入っているアイスクリーム。
美味しい食感をお楽しみください。
ティーパックにして、飲みやすく 扱いやすくなっています。
銀杏入りのつるつる・しこしこ麺。
いちょうの葉とぎんなん入り羊羹です。
秋の旬にはたくさん取れます。
その他まだまだたくさんのぎんなん加工食品があります。
詳しくは オンラインショップ をご覧ください。ぜひ一度ご賞味ください。
銀杏は食べ過ぎると中毒になる可能性があります。食べ過ぎには注意してください。
銀杏はギンコール酸などを含み、漆などのようにかぶれなどの皮膚炎を引き起こす場合があります。触れてすぐには発症せず、長期間継続して実に触れ続けた結果発症した例もあります。
また、食用とする種の中身にはビタミンB6 の類縁体4-O-メチルピリドキシン (4-O-methylpyridoxine、MPN) が含まれていますが、これはビタミンB6に拮抗してビタミンB6欠乏となりGABAの生合成を阻害し、まれに痙攣などを引き起こします。
大人の場合かなりの数を摂取しなければ問題はありませんが、1日5 - 6粒程度でも中毒になることがあり、特に報告数の70%程度が5歳未満の小児です。太平洋戦争前後に中毒報告が多く、大量に摂取したために死に至った例もあります。
一方で喘息等の症状に対する鎮咳去痰作用など薬草としての効力もあります。
銀杏の中毒性は「メチルピリドキシン」と呼ばれる成分が原因で、この成分はビタミンB6の作用を妨げる働きもしてしまいます。食用部分にはビタミンB6の働きを阻害する有毒成分(4-o-メチルピリドキシン)が含まれますが、熱に安定で、加熱調理しても消失しません。
食欲の秋ですが、美味しいからといって食べ過ぎないよう十分注意しましょう。